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撮影時、いつも腕組みする男。

撮影時、いつも腕組みする男。

「じゃあ、写真撮りますよ。」

そう言われると、なぜか腕を組んでしまう。

仕事仲間との集合写真。

友人との旅行。

家族で出かけたとき。

別に腕を組もうと決めているわけではない。

「はい、チーズ。」

その瞬間、気づくといつも同じポーズになっている。

あとから写真を見返して、

「俺、また腕組んでるな。」

と思う。

癖なんだろう。

ずっと、そう思っていた。

でもある日、腕を組まないで写真を撮ってみた。

両手を自然に下ろして、正面を向く。

撮った写真を見た瞬間、

「ああ、これか。」

なんとなく理由がわかった。

腕を組むと、なぜか安心する

写真に写った自分の胸元が、妙に気になった。

普段なら何とも思わないTシャツなのに、写真になると違って見える。

胸のライン。

生地の張りつき方。

ちょっとした凹凸。

一度そこに目がいくと、写真全体より先にそこを見てしまう。

試しに、いつもの腕を組んだ写真と比べてみる。

腕を組めば、胸元の一部が自然に隠れる。

なるほど。

だからだったのかもしれない。

もちろん、腕を組む男性がみんな胸元を気にしているわけではありません。

単純にポーズがわからない人もいるでしょう。

でも人には、気になる場所を無意識に守るような仕草があります。

お腹が気になれば、バッグを前に持つ。

座ったときにシャツを引っ張る。

写真では少し斜めに立つ。

そして胸元が気になれば、腕を組む。

「隠そう。」

そこまで明確に考えていなくても、体の方が先に動いていることがあります。

本人にとっては、ただの癖。

でもその癖には、理由が隠れているのかもしれません。

欲しいのは「上手な隠し方」ではなかった

では、写真を撮るときはどうすればいいのでしょう。

胸元が目立たない角度を研究する?

腕の位置を工夫する?

何かを手に持つ?

それも一つの方法です。

でも、本当に欲しいのは「上手な隠し方」でしょうか。

友人から突然、

「写真撮ろうよ。」

と言われたとき。

家族旅行で誰かにスマートフォンを渡したとき。

仕事のイベントで集合写真を撮ることになったとき。

いちいち、

「この角度なら大丈夫かな。」

「胸元、見えてないかな。」

なんて考えたくない。

撮られる直前にポーズを探すのではなく、普通に立って、普通に笑えたらいい。

腕を下ろしていてもいい。

横を向いてもいい。

誰かの隣に立ってもいい。

写真に写るための正解のポーズを持たなくていい。

それが一番ラクなのではないでしょうか。

写真は、本来「どう写ったか」だけを残すものではありません。

誰といたのか。

どこへ行ったのか。

何が楽しかったのか。

その日の時間を残すものです。

数年後に写真を見返したとき、

「このとき、胸元を隠してたんだよな。」

ではなく、

「この日、楽しかったな。」

と思えた方がいい。

仕草を直すより、その理由を一つ減らしてみる

無意識の癖を無理に直すのは、意外と難しいものです。

「次から腕を組まないようにしよう。」

そう決めても、次の写真ではまた組んでいるかもしれません。

だったら、仕草ではなく、その手前を変えてみる。

なぜ腕を組むと安心するのか。

なぜシャツを引っ張ってしまうのか。

なぜ白いTシャツの日だけ少し落ち着かないのか。

そこに胸元への小さな気がかりがあるのなら、服の外側で隠すのではなく、その内側で対策する方法もあります。

上に着るTシャツを変えなくてもいい。

好きな色を諦めなくてもいい。

体形を変えてから着よう、と思わなくてもいい。

見えないところを一つ工夫するだけで済むこともあります。

次に写真を撮るとき。

腕を組んでもいい。

もちろん、組まなくてもいい。

大切なのは、

「隠すために、そのポーズを選ばなくていいこと。」

インナー1枚で解決するかもしれません。

「写真撮るよ。」

そう言われたら、そのまま立って笑う。

写真に残るのは、胸元を守る腕ではなく、その日の自分。

そんな一枚が増えていったら、写真を撮られることも、今より少し好きになるかもしれません。

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