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一枚3万円のシャツより、先に見直したいもの。

一枚3万円のシャツより、先に見直したいもの。

久しぶりに、少しいいシャツを買った。

価格は3万円。

試着室で袖を通したときは、かなり気に入った。

生地には上品な光沢があり、襟の形もきれい。

鏡の中の自分が、いつもより少しだけ格好よく見えた。

「これなら長く着られそうだ。」

そう思って購入した。

数日後。

そのシャツを着て出かけることにした。

パンツを合わせ、時計をつける。

最後に鏡を見る。

「あれ?」

店で着たときと、何かが違う。

サイズは合っている。

色も似合っているはず。

それなのに、なぜか決まらない。

せっかく3万円も出したのに。

その理由は、シャツではなかった。

高い服なら、かっこよく見えると思っていた

服を買うとき、私たちはどうしても外側に目が向きます。

ブランド。

素材。

シルエット。

価格。

特に少し高い服を買うと、

「これを着れば、いつもよりよく見えるはず。」

と期待します。

もちろん、上質な服にはそれだけの魅力があります。

でも、どんなに美しいシャツでも、それ一枚ですべてが決まるわけではありません。

肩の位置。

パンツとのバランス。

靴。

姿勢。

そして、シャツの下に何を着ているか。

服は単体で存在しているのではなく、着たときに初めて完成します。

先ほどの男性も、もう一度鏡を見ました。

そこで気づいたのが胸元でした。

薄く滑らかな生地だからこそ、体のラインを想像以上に拾っている。

特に胸の小さな凹凸が目に入る。

試着室ではシャツそのものに夢中で、そこまで見ていなかったのです。

せっかく気に入って買ったのに、

「このシャツ、失敗だったかな。」

そんな気持ちになってしまいました。

でも、本当にシャツが悪かったのでしょうか。

服を買い直す前に、土台を変えてみる

翌週、その男性は別のシャツを探しに行きました。

今度は少し厚手のもの。

胸元が目立たない色。

ゆったりしたシルエット。

けれど、途中でふと思います。

「なんでシャツの方を変えようとしているんだろう。」

本当に欲しかったのは、最初に買ったあの一枚です。

だったら、その服を諦めずに済む方法を考えた方がいい。

そこで見直したのが、インナーでした。

普段は、

「どうせ見えないから。」

と適当に選んでいたものです。

ところが考えてみれば、肌のすぐ上にあり、そのさらに上にシャツが重なります。

表からはほとんど見えない。

けれど、着たときの印象には関係している。

家で試してみました。

胸元をカバーできるものを選び、その上から3万円のシャツを着る。

鏡の前に立つ。

今度は、最初に試着したときに感じた

「これ、いいな。」

が戻ってきました。

新しいシャツを買う必要はなかったのです。

変える場所を間違えていただけでした。

いい服を買ったときほど、その下まで考える

高価なシャツを買うことが贅沢なのではありません。

気に入ったものを長く着るなら、むしろいい買い物になることもあります。

だからこそ、その一枚をきれいに着たい。

乳首浮きが気になるなら、厚い生地ばかり選ぶ必要はありません。

白を諦める必要もない。

オーバーサイズで隠すことだけを考えなくてもいい。

胸元を目立ちにくくするためにつくられた専用インナーという選択肢があります。

上に着る服を制限するのではなく、その服が本来持っているシルエットを楽しむために、中で準備しておく。

インナーに求めたいのは、目立つことではありません。

むしろ逆です。

存在を主張せず、その上に着る一枚を邪魔しないこと。

3万円のシャツも。

お気に入りの白Tシャツも。

何年も着ているポロシャツも。

主役は、あくまで自分が選んだ服です。

次に少しいいシャツが欲しくなったら、買う前に一度だけ確認してみてください。

クローゼットには、

「似合わない」と思い込んで着なくなった服がありませんか。

もしあるなら、新しい一枚を買う前に、その下を変えてもう一度着てみる。

欲しかったのは新しい服ではなく、

今持っている服を、もっと気持ちよく着られることだった。

そんなことに気づくかもしれません。

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