お見合いはうまくいくのに、デートで失敗する理由は？

ある日、相談所のカウンセラーとの定期面談があった。俺は不思議に思っていたことをそのまま話した。

「お見合いでは好印象を持ってもらえるのに、デートでは次につながらないんです」

カウンセラーはしばらく考えてから、こう聞いてきた。
「デートのとき、どんな服装をされていますか？」

俺は自信を持って答えた。
「きれいめカジュアルですよ。ジャケットにシャツを合わせて、清潔感を意識しています」

ところが、カウンセラーはじっと俺を見て、こう言った。

「胸元が……透けています。それでデートしているのですか？」

一瞬、意味がわからなかった。
俺の胸元？透けている？

言われてハッとした。俺はその日、薄手のシャツにジャケットを羽織っていた。下には白いインナーを着ていたのだが、確かに鏡で見れば、光の加減でインナーが透けていた。

「女性から見れば、それは清潔感どころか“下着が透けて見えている”印象になります」

カウンセラーの言葉はぐさりと刺さった。
俺はずっと「きれいめカジュアルで爽やかに」と思っていたが、実際は女性にとって残念な印象を与えていたのだ。

思い返してみれば、デート中に女性の視線が胸元に一瞬向いたことがあった。だが、その時は「気のせいだろう」と流していた。実はあれがサインだったのかもしれない。

俺は自分で自分に呆れた。お見合いのスーツ姿では誠実そうに見せられても、デートで本当の素が出た時に「残念」と思われていたなんて。

婚活では、自分が気付かないところが相手に強い印象を与える。

シャツの胸元が透けている

薄くなってきた髪の毛のケアを怠っている

爪が伸びている

靴が汚れている

匂いが気になる

本人は「大したことじゃない」と思っていても、女性にとっては「清潔感がない人」と感じる大きな要素になるのだ。

俺の場合はまさに「胸元の透け感」がその落とし穴だった。

面談の帰り道、俺はすぐにネットショップで透けないインナーを買った。
胸元が厚手になっている透けないインナーだ。届いてすぐシャツの下に着てみたら、驚くほど透けなかった。

「こんな簡単なことで印象が変わるのか」
俺はショックと同時に、妙な清々しさを感じた。

次のデートでは、その新しいインナーを着て臨んだ。女性の視線が胸元に行くこともなく、会話は自然に盛り上がった。そして何より、デート後に「またお会いしたいです」と言ってもらえた。

あの瞬間、俺は「小さなことが大きな差を生む」ことを実感した。

婚活は、会話や性格だけでなく、“見た目の安心感” が想像以上に重要だ。
女性は「この人と生活したらどうだろう？」と無意識に想像している。そのとき胸元が透けていたら？　爪が伸びていたら？　靴が汚れていたら？

「この人と生活するのは不安」と感じてしまう。
逆に、清潔感があれば「この人となら安心して一緒にいられる」と思ってもらえる。

俺は今まで「中身を見てほしい」と思っていた。もちろん中身も大事だ。だが、中身を見てもらうためには、まずは外見で安心感を与えなければならない。

これから婚活をする同じ世代の男性へ

もしこの記事を読んでいる男性がいたら、ぜひ一度、自分の姿を鏡でじっくり見てほしい。
そして、できれば女性の目線でチェックしてくれる人に相談してみてほしい。

俺は胸元が透けていたことで、どれだけのご縁を逃してきたのか。
今となっては笑い話だが、あのまま気付かずにいたら、きっとずっと同じ失敗を繰り返していただろう。

婚活における小さな改善は、未来を変える大きな一歩になる。

お見合いではうまくいくのに、デートで失敗していた俺。
その理由は「胸元の透け感」という、たった一つの小さなポイントだった。

けれど、その小さな改善がきっかけで、俺の婚活は次のステージへ進み始めた。

もし今「なぜかデートでうまくいかない」と悩んでいるなら、ぜひ一度自分の外見をチェックしてほしい。そこに未来を変えるヒントが隠れているはずだ。

俺はこれからも、小さな改善を積み重ねて、必ずもう一度幸せな家庭を築くつもりだ。